池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

山田風太郎「伊賀忍法帖」

1、あらすじ 2、感想 3、司馬遼太郎対山田風太郎 1、あらすじ この作品の面白さは、すべての男の登場人物が女によって失敗するということだ。惑わせた女は三人、篝火、漁火、右京太夫だ。 篝火は遊女であるが、非常に人気のあった遊女だ。若い伊賀忍者で…

「風の如く」富樫倫太郎

安倍晋三が三選を果たした。 総理は長州藩、今の山口県の出身だ。 それを誇りに思い、吉田松陰や松下村塾がお好きなようだ。 しかも、安倍晋三の「晋」の字は高杉晋作から採ったそうだ。 しかし、松下村塾や吉田松陰のことをあまり我々は知らない。 だが、別…

「すべての男は消耗品である 最終巻」村上龍

すべての男は消耗品である。 最終巻 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/09/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 村上龍はこの「すべての男は消耗品である」というエッセイシリーズを三四年間続けてきた。どうしてこれを終わり…

「新撰組局長首座 芹沢鴨」峰 隆一郎

峰隆一郎という名前を見て、すぐにピンとくれば良かった。 隆慶一郎という作家が好きだ。「一夢庵風流記(マンガ「花の慶次」の原作)」や「吉原御免状」、「影武者徳川家康」、「捨て童子・松平忠輝」を書いた。 名前が似ているので、影響を受けた作家なの…

「新九郎、奔る」ゆうきまさみ

正直を言うと、あまりおもしろくなかった。 主人公はのちに北条早雲と呼ばれることになる、伊勢新九郎である。 何がおもしろくないかというと、複雑な室町末期の状況をまんがによって説明していくのだが、これが複雑すぎる。平安末期と室町末期、江戸末期、…

「水木しげるの戦記選集」

コンビニで売っていておもわず買ってしまった。 戦記物というのは戦国時代の武将の伝記と同じで、勇ましく書いていく。 水木しげるの戦記もそうである。 主に海軍の戦記を扱っている。 そうなのだが、選集大激闘編の冒頭では、おそらく90年代半ば以降の水…

必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む

こういう本を読むのは、邪道なのであるが、以前短編小説の集いでよく出品されていた方が、クトゥルフ神話大系をテーマに小説を書いていらした。そのクトゥルフ神話体系に関する知識がまるでなかったので、読む機会というのを探っていた。 コンビニでこの本の…

「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞した作家だ。日本人としてはノーベル文学賞と聞けば、村上春樹が頭に浮かぶ。カズオ・イシグロは村上春樹の弟分を辞任していたと思う。 今回、初めて作品を読んだ。ウィキペディアで見てみると、非常に寡作な…

司馬遼太郎のおすすめ作品。秋の夜長に読むなら、この読み方が良いです。【戦国編】

// 今週のお題「読書の秋」 司馬遼太郎、通史セット。 司馬遼太郎の作品は本人曰く「日本人がどうしてこんな戦争(第二次大戦)をしてしまったのか。それを考えて、あの当時の自分に書いて送った手紙だ」という趣旨のことを言っている。 本来は死ぬ前に「ノ…

吉川英治「松のや露八」

// 吉川英治の超長編はタイトルを見ると、だいたい時代設定や話の筋が分かる物が多い。ところが、「松のや露八」は一般的にはどの時代の話か、どんな展開なのかが分からない。 露八は明治以降に幇間になった後の名で、元々は土肥庄次郎といって、代々一橋家…

「投資バカ」&「元コンビニ店員だけど、FXで月給100万ちょいもらっている話」

// 小説を書くのに、参考にしようと思って、両書を読んだ。 投資をやる人間というのはどういう傾向を持つのか、ということを知るためだ。 その目的に合致しているのは、(意外だろうか)「FXで~」の方だった。その傾向は別の記事に書くとする。 この記事…

池上彰「世界を動かす巨人たち<経済人編>」

// 世界を動かす巨人たち <経済人編> (集英社新書) 作者: 池上彰 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/07/14 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 夏休みももうすぐ終わり。 宿題に追われている子どももいることだろう。特に読書感想文はだるい。 …

プレジデント二〇一七・五・二九号「孫子の兵法」

// 先ほど報道で、小池都知事が脱藩じゃなくて、自民党を離党した。 www.msn.com バックナンバーになって申し訳ない。 先日締め切りの短編小説の集いの作品を書いていてなかなか読めなかったプレジデント。普段買うわけではないが、「孫子」の文字を見て衝動…

又吉直樹「劇場」を読む。

// 又吉直樹の芥川賞受賞後、第一作目「劇場」を読み終えた。 ここから、感想を書くが「劇場」を読んでから、この話を読み進めたほうがよい。 この作品を端的に表現すれば、「ベタな内容な物語を作者の文章力で装飾した」作品だ。ただ世の中の小説を面白いも…

逆説の日本史22

// 井沢元彦が長年執筆を続けてきた、「逆説の日本史」が折り返し地点? にたどり着いた。 簡単にいえば、近世が終わり、いよいよ近代に突入する。その手前まで終わったということだ。具体的には西郷隆盛が反乱を起こす、「西南戦争」まで終了した。 終了記…

「現代落語論」立川談志

// 先年、といってももう2011年だからずいぶんと前になるが、なくなった立川談志が書いた本である。帯には、「これが落語家がはじめて書いた本である」とぶってあった。そんなものか、まあ噺家なのだから当たり前か、と文言を見て思ったが、はたして本当かど…

逆説の日本史&「家康研究の最前線」

// 安倍晋三首相は、自身が長州出身であることを誇っている。 それについて否定するつもりはない。 逆説の日本史という、井沢元彦がライフワークとして続けているシリーズがある。資料偏重主義の日本史の学者が見落としがちな、その当時の常識を駆使すること…

生き方を見直す。「不運と思うな」伊集院静

// 他人のせいにして生きるのは楽だ。 国のせいにするのは楽だ。 時代のせいにするのは楽だ。 とかく人は不遇をかこったとき、自分以外の何かに原因を求める。納得いかない人生を、そうして落トシマエをつける。できればだれも傷つかない、大きな集団の方が…

「ゲゲゲの鬼太郎」に影響を受けた有名人。結構深いよ。

// 個人的には「ゲゲゲの鬼太郎」は今回書く文庫版の一巻から五巻で一応の形が完成する。 「ゲゲゲの鬼太郎」の影響 「ゲゲゲの鬼太郎」のお話の型 鬼太郎は差別を受けやすい境界の人 ねずみ男の活躍 ねずみ男はなにを象徴しているのか。 「ゲゲゲの鬼太郎」…

「のんのんばあとオレ」には少年時代の大切なことが全部詰まっている。

// あらすじ 感想 しげるを取り巻く人々の魅力 才能を磨くには あらすじ のんのんばあは、茂少年のうちの近所に住んでいた。 拝み屋をしていて、信心深い。そのおかげで、妖怪などの知識も豊富だ。茂少年は貧乏なのんのんばあのうちへ行っては、妖怪の話を聞…

真田太平記(1) 天魔の夏

// 大河ドラマ「真田丸」が好評である。 おそらく、このドラマを描くに当たって、この物語を意識しないでは書けなかったと思う。 あらすじ 大河ドラマとの違い よみどころ あらすじ 話は武田家滅亡の時期から始まる。長篠の戦いで負けた武田軍は織田・徳川の…

あと三時間あるよ。参院選特集、どうやって候補を選ぶのか。

// 目次 参議院選について なら、どうする? 比例代表はどうするか 選挙は行った方がいい 先に目次を書こう。 目次 「言ってはいけない残酷すぎる真実」 Ⅰ努力は遺伝に勝てないのか ①遺伝にまつわる語られざるタブー ②「頭が良くなる」とはどういうことか ③…

オールドテロリスト

この作品は物語や描写もさることながら、登場人物の設定におもしろさがあります。その点について書いてみました。

北条早雲 相模侵攻篇

富樫倫太郎が書いた本書。綱渡りの伊豆経営から小田原攻めまでを書いています。どうしてそうなるのかを簡単に解説しています。

マンガ「鎌倉ものがたり」感想

// 作者は西岸良平。「三丁目の夕日」と本作が代表作。 コンビニで「鎌倉物語」というタイトルと、桜の下を歩く和装の男性と洋服でベレー帽をかぶる小柄な女性の絵を見て、衝動買いしてしまった。鎌倉が好きなのである。 内容は和装の男性、一色先生と洋服の…

はじめまして。

まさりんです。 読書感想文用のブログを作ってみました。こちらも、元のブログ同様、ゆっくりやっていきます。おひまなときにのぞいてみてください。 最低限、週二回くらいは更新したいなあ。