池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

「風の如く」富樫倫太郎

安倍晋三が三選を果たした。 総理は長州藩、今の山口県の出身だ。 それを誇りに思い、吉田松陰や松下村塾がお好きなようだ。 しかも、安倍晋三の「晋」の字は高杉晋作から採ったそうだ。 しかし、松下村塾や吉田松陰のことをあまり我々は知らない。 だが、別…

「すべての男は消耗品である 最終巻」村上龍

すべての男は消耗品である。 最終巻 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/09/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 村上龍はこの「すべての男は消耗品である」というエッセイシリーズを三四年間続けてきた。どうしてこれを終わり…

「新撰組局長首座 芹沢鴨」峰 隆一郎

峰隆一郎という名前を見て、すぐにピンとくれば良かった。 隆慶一郎という作家が好きだ。「一夢庵風流記(マンガ「花の慶次」の原作)」や「吉原御免状」、「影武者徳川家康」、「捨て童子・松平忠輝」を書いた。 名前が似ているので、影響を受けた作家なの…

「新九郎、奔る」ゆうきまさみ

正直を言うと、あまりおもしろくなかった。 主人公はのちに北条早雲と呼ばれることになる、伊勢新九郎である。 何がおもしろくないかというと、複雑な室町末期の状況をまんがによって説明していくのだが、これが複雑すぎる。平安末期と室町末期、江戸末期、…

「水木しげるの戦記選集」

コンビニで売っていておもわず買ってしまった。 戦記物というのは戦国時代の武将の伝記と同じで、勇ましく書いていく。 水木しげるの戦記もそうである。 主に海軍の戦記を扱っている。 そうなのだが、選集大激闘編の冒頭では、おそらく90年代半ば以降の水…

必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む

こういう本を読むのは、邪道なのであるが、以前短編小説の集いでよく出品されていた方が、クトゥルフ神話大系をテーマに小説を書いていらした。そのクトゥルフ神話体系に関する知識がまるでなかったので、読む機会というのを探っていた。 コンビニでこの本の…

「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞した作家だ。日本人としてはノーベル文学賞と聞けば、村上春樹が頭に浮かぶ。カズオ・イシグロは村上春樹の弟分を辞任していたと思う。 今回、初めて作品を読んだ。ウィキペディアで見てみると、非常に寡作な…