池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

2017-01-01から1年間の記事一覧

司馬遼太郎のおすすめ作品。秋の夜長に読むなら、この読み方が良いです。【戦国編】

// 今週のお題「読書の秋」 司馬遼太郎、通史セット。 司馬遼太郎の作品は本人曰く「日本人がどうしてこんな戦争(第二次大戦)をしてしまったのか。それを考えて、あの当時の自分に書いて送った手紙だ」という趣旨のことを言っている。 本来は死ぬ前に「ノ…

吉川英治「松のや露八」

// 吉川英治の超長編はタイトルを見ると、だいたい時代設定や話の筋が分かる物が多い。ところが、「松のや露八」は一般的にはどの時代の話か、どんな展開なのかが分からない。 露八は明治以降に幇間になった後の名で、元々は土肥庄次郎といって、代々一橋家…

「投資バカ」&「元コンビニ店員だけど、FXで月給100万ちょいもらっている話」

// 小説を書くのに、参考にしようと思って、両書を読んだ。 投資をやる人間というのはどういう傾向を持つのか、ということを知るためだ。 その目的に合致しているのは、(意外だろうか)「FXで~」の方だった。その傾向は別の記事に書くとする。 この記事…

池上彰「世界を動かす巨人たち<経済人編>」

// 世界を動かす巨人たち <経済人編> (集英社新書) 作者: 池上彰 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/07/14 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 夏休みももうすぐ終わり。 宿題に追われている子どももいることだろう。特に読書感想文はだるい。 …

プレジデント二〇一七・五・二九号「孫子の兵法」

// 先ほど報道で、小池都知事が脱藩じゃなくて、自民党を離党した。 www.msn.com バックナンバーになって申し訳ない。 先日締め切りの短編小説の集いの作品を書いていてなかなか読めなかったプレジデント。普段買うわけではないが、「孫子」の文字を見て衝動…

又吉直樹「劇場」を読む。

// 又吉直樹の芥川賞受賞後、第一作目「劇場」を読み終えた。 ここから、感想を書くが「劇場」を読んでから、この話を読み進めたほうがよい。 この作品を端的に表現すれば、「ベタな内容な物語を作者の文章力で装飾した」作品だ。ただ世の中の小説を面白いも…

逆説の日本史22

// 井沢元彦が長年執筆を続けてきた、「逆説の日本史」が折り返し地点? にたどり着いた。 簡単にいえば、近世が終わり、いよいよ近代に突入する。その手前まで終わったということだ。具体的には西郷隆盛が反乱を起こす、「西南戦争」まで終了した。 終了記…

「現代落語論」立川談志

// 先年、といってももう2011年だからずいぶんと前になるが、なくなった立川談志が書いた本である。帯には、「これが落語家がはじめて書いた本である」とぶってあった。そんなものか、まあ噺家なのだから当たり前か、と文言を見て思ったが、はたして本当かど…

逆説の日本史&「家康研究の最前線」

// 安倍晋三首相は、自身が長州出身であることを誇っている。 それについて否定するつもりはない。 逆説の日本史という、井沢元彦がライフワークとして続けているシリーズがある。資料偏重主義の日本史の学者が見落としがちな、その当時の常識を駆使すること…

生き方を見直す。「不運と思うな」伊集院静

// 他人のせいにして生きるのは楽だ。 国のせいにするのは楽だ。 時代のせいにするのは楽だ。 とかく人は不遇をかこったとき、自分以外の何かに原因を求める。納得いかない人生を、そうして落トシマエをつける。できればだれも傷つかない、大きな集団の方が…