池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

「鯨と生きる」西野嘉憲

千葉県の安房の南端、和田町や館山ではいまだ捕鯨が続いている。 国際的に禁止されている鯨種ではない種類の鯨を追って取る。 その営みは、地域の文化にしっかり組み込まれている。 鯨が揚がるのをまっているおばあさん、その値踏みは厳しい。 小学生は鯨を…

「風の如く」富樫倫太郎

安倍晋三が三選を果たした。 総理は長州藩、今の山口県の出身だ。 それを誇りに思い、吉田松陰や松下村塾がお好きなようだ。 しかも、安倍晋三の「晋」の字は高杉晋作から採ったそうだ。 しかし、松下村塾や吉田松陰のことをあまり我々は知らない。 だが、別…

「すべての男は消耗品である 最終巻」村上龍

すべての男は消耗品である。 最終巻 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/09/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 村上龍はこの「すべての男は消耗品である」というエッセイシリーズを三四年間続けてきた。どうしてこれを終わり…

「高野聖」泉鏡花

高野聖とは高野山へと寄付を募り、各地をまわる僧侶のことである。いわずもがなであるが、高野山とは金剛峯寺という、真言宗の総本山がある。 とある高野聖から若い頃にあった不思議な体験談を聞く。 飛騨から信州に向かう道なり、ある茶屋のこと。近くで悪…

「新撰組局長首座 芹沢鴨」峰 隆一郎

峰隆一郎という名前を見て、すぐにピンとくれば良かった。 隆慶一郎という作家が好きだ。「一夢庵風流記(マンガ「花の慶次」の原作)」や「吉原御免状」、「影武者徳川家康」、「捨て童子・松平忠輝」を書いた。 名前が似ているので、影響を受けた作家なの…

「新九郎、奔る」ゆうきまさみ

正直を言うと、あまりおもしろくなかった。 主人公はのちに北条早雲と呼ばれることになる、伊勢新九郎である。 何がおもしろくないかというと、複雑な室町末期の状況をまんがによって説明していくのだが、これが複雑すぎる。平安末期と室町末期、江戸末期、…

「河童」芥川龍之介

都合により、「河童」を読んだ。 「僕」はある日、河童の世界に紛れ込む。 その世界は人間の世界とパラレルワールドになっている。哲学者、作曲家、硝子工場の工場主、宗教家、人間世界と同じような人間が多く生きている。自殺あり、戦争あり、と人間界と同…

「房総グランオテル」越谷オサム

千葉県外房の月ヶ浦にある房総グランオテルを舞台に起こる、ドタバタ劇。 一文で表現すればそういうことになる。 月ヶ浦は御宿だろう。 椰子の木やらの描写がそんな感じだ。 シーズンオフの房総グランオテルに三人の宿泊客がやってくる。 落ちぶれたミュージ…

「水木しげるの戦記選集」

コンビニで売っていておもわず買ってしまった。 戦記物というのは戦国時代の武将の伝記と同じで、勇ましく書いていく。 水木しげるの戦記もそうである。 主に海軍の戦記を扱っている。 そうなのだが、選集大激闘編の冒頭では、おそらく90年代半ば以降の水…

「闇の平蔵」逢坂剛

読んでいて自然と池波正太郎版「鬼平犯科帳」と比べてしまうのは人情だろう。 この作品における長谷川平蔵は決して人前で顔をさらさないという設定になっている。その平蔵が事件を解決することもあり、同心たちが解決することもあり、様々な展開をするのだが…