池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ

カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞した作家だ。日本人としてはノーベル文学賞と聞けば、村上春樹が頭に浮かぶ。カズオ・イシグロは村上春樹の弟分を辞任していたと思う。 今回、初めて作品を読んだ。ウィキペディアで見てみると、非常に寡作な…

昭和天皇物語 第二巻

第1巻に引き続き第2巻も読んだ。 第一巻が幼少期から14歳まで、第二間が16歳か17歳までの話である。 東宮の学問所で引き続き、皇太子に対する教育が行われていく。読んでいと思うのだが、皇太子時代の昭和天皇が教育をけた時期が大正時代で良かったと思う。 …

昭和天皇物語 第1巻

作者は月下の棋士でお馴染み、能條純一。 物語は昭和天皇がマッカーサーに会いに行くところから始まる。 昭和天皇はマッカーサーに自らの命乞いをしなかった。その代わりに、民衆を委ねる。マッカーサーはその行為に感動する。 昭和天皇は聡明な方だと言われ…

池井戸潤「シャイロックの子供達」

シャイロックとはシェイクスピアの作品に出てくる金貸しである。実に強欲な人物である。いわゆる悪人である。 舞台は銀行である。 実名を伏せてあるが、東京三菱銀行なのだろう。その大田区の支店である。三菱は財閥の中でも組織優先で知られている。その空…

「空也」

空也という人について、あなたは説明できるだろうか。 私はこの本を読むまでは自信がなかった。 市の聖と呼ばれ、六波羅蜜寺にある口から梵字を吐いている像が有名だが、それくらいしか知識はない。 実は傍流ではあるが皇族の出であるという説がある。 とき…

「動的平衡」福岡伸一

人間の体は常に入れ替わっている、という話は聞いたことがあるだろう。細胞は常に更新し続けている。 著者はこの事実こそが生物を期待している特徴とする。 例えば我々人間は、過去の事実を記憶している。それは脳の中の海馬という部分で行なっている。その…

「深夜食堂」安倍夜郎

// 筆者の名前は「あべやろう」と読む。 この作品に登場する店は、深夜食堂といって、深夜から朝方まで営業しているめし屋だ。はっきりは書いていないが、新宿あたりをイメージしている。 登場人物のほとんどがダメな人々だ。一巻の一話目から、ヤクザとベテ…

北野武「アナログ」

// 純愛小説である。 主人公はインテリアデザイナーである。上司よりもデザイナーとしての腕は上である。 ある日自分の会社がデザインして、上司に手柄をとられた喫茶店で女性と出会う。女性はみゆきと名乗る。喫茶店では高校卒業以来のつきあいである悪友と…

司馬遼太郎のおすすめ作品。秋の夜長に読むなら、この読み方が良いです。【戦国編】

// 今週のお題「読書の秋」 司馬遼太郎、通史セット。 司馬遼太郎の作品は本人曰く「日本人がどうしてこんな戦争(第二次大戦)をしてしまったのか。それを考えて、あの当時の自分に書いて送った手紙だ」という趣旨のことを言っている。 本来は死ぬ前に「ノ…

吉川英治「松のや露八」

// 吉川英治の超長編はタイトルを見ると、だいたい時代設定や話の筋が分かる物が多い。ところが、「松のや露八」は一般的にはどの時代の話か、どんな展開なのかが分からない。 露八は明治以降に幇間になった後の名で、元々は土肥庄次郎といって、代々一橋家…