池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

山田風太郎「伊賀忍法帖」

1、あらすじ 2、感想 3、司馬遼太郎対山田風太郎 1、あらすじ この作品の面白さは、すべての男の登場人物が女によって失敗するということだ。惑わせた女は三人、篝火、漁火、右京太夫だ。 篝火は遊女であるが、非常に人気のあった遊女だ。若い伊賀忍者で…

「男が三十代で止めるべき習慣」適菜収

先日、ちょっといた用事で羽田空港に行った。 羽田第二ビルの本屋でこの本に出会った。「男が三十代で止めるべき習慣」というタイトルはいたって凡庸であった。暇つぶしで本を取り、目次を見た。これが非常に良かった。 第1章 いますぐやめるべき「自分磨き…

「三国志外伝」宮城谷昌光

宮城谷昌光の三国志は、上級編といったところだろうか。三国志演義に沿った物語と人物の動きを知らなければ、あらすじすら追えないかもしれない。初読のものは、一巻で挫折するだろう。プレ三国志の内容がずっと書かれているからだ。もしも初読で読むなら二…

「鯨と生きる」西野嘉憲

千葉県の安房の南端、和田町や館山ではいまだ捕鯨が続いている。 国際的に禁止されている鯨種ではない種類の鯨を追って取る。 その営みは、地域の文化にしっかり組み込まれている。 鯨が揚がるのをまっているおばあさん、その値踏みは厳しい。 小学生は鯨を…

「風の如く」富樫倫太郎

安倍晋三が三選を果たした。 総理は長州藩、今の山口県の出身だ。 それを誇りに思い、吉田松陰や松下村塾がお好きなようだ。 しかも、安倍晋三の「晋」の字は高杉晋作から採ったそうだ。 しかし、松下村塾や吉田松陰のことをあまり我々は知らない。 だが、別…

「すべての男は消耗品である 最終巻」村上龍

すべての男は消耗品である。 最終巻 作者: 村上龍 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/09/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 村上龍はこの「すべての男は消耗品である」というエッセイシリーズを三四年間続けてきた。どうしてこれを終わり…

「高野聖」泉鏡花

高野聖とは高野山へと寄付を募り、各地をまわる僧侶のことである。いわずもがなであるが、高野山とは金剛峯寺という、真言宗の総本山がある。 とある高野聖から若い頃にあった不思議な体験談を聞く。 飛騨から信州に向かう道なり、ある茶屋のこと。近くで悪…

「新撰組局長首座 芹沢鴨」峰 隆一郎

峰隆一郎という名前を見て、すぐにピンとくれば良かった。 隆慶一郎という作家が好きだ。「一夢庵風流記(マンガ「花の慶次」の原作)」や「吉原御免状」、「影武者徳川家康」、「捨て童子・松平忠輝」を書いた。 名前が似ているので、影響を受けた作家なの…

「新九郎、奔る」ゆうきまさみ

正直を言うと、あまりおもしろくなかった。 主人公はのちに北条早雲と呼ばれることになる、伊勢新九郎である。 何がおもしろくないかというと、複雑な室町末期の状況をまんがによって説明していくのだが、これが複雑すぎる。平安末期と室町末期、江戸末期、…

「河童」芥川龍之介

都合により、「河童」を読んだ。 「僕」はある日、河童の世界に紛れ込む。 その世界は人間の世界とパラレルワールドになっている。哲学者、作曲家、硝子工場の工場主、宗教家、人間世界と同じような人間が多く生きている。自殺あり、戦争あり、と人間界と同…