池波正太郎をめざして

読書の栞

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「三国志外伝」宮城谷昌光

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三国志外伝 (文春文庫 み 19-35)

宮城谷昌光三国志は、上級編といったところだろうか。三国志演義に沿った物語と人物の動きを知らなければ、あらすじすら追えないかもしれない。初読のものは、一巻で挫折するだろう。プレ三国志の内容がずっと書かれているからだ。もしも初読で読むなら二巻辺りからが良い。曹操劉備などお馴染みの人物が出ているとおもう。たぶん。三巻かも。

また、蒼天航路が途中で挫折した正史のテイストで三国状態の解消まで描いている。だから、諸葛亮孔明の評価も、ファンからすれば辛いものになっている。一言で表せば、戦下手。詳しい人には常識的なのだが、演義しか知らない人には意外だろう。北伐で何度も戦ううちに上手くなった。孔明は政治家として、とても優秀だ。戦は龐統などに任せていた節すらある。

 

宮城谷昌光三国志では、三国志演義で端役の人物がどういう人物なのかが丹念に書かれる。皇甫嵩まで詳述しているのには驚いた。この外伝は、その本編からもさらにこぼれ落ちた人物を扱う。

鄭玄、蔡琰、韓遂、王粲、許靖公孫度、呉ゆう、太史慈、超岐、陳寿楊彪、劉繇。

これらの人物を扱っている。

 

太史慈や、真・三國無双で登場するので蔡琰は知っているだろう。蔡文姫という名前で出る。

だが、孫策と出会う前の太史慈や劉繇のことは知らないだろう。なかに登場する、劉備と出会うまえの劉表のことは知らないだろう。正史三国志を書いた陳寿がどういう人物かは知らないだろう。(実にやられやすい、損な人生だった)

西涼の覇者として登場する韓遂も、馬超と登場する前の前半生はなかなか面白い。

 

もう少し三国志について知りたい人にオススメの本である。

ただ、宮城谷昌光司馬遼太郎のように、新しい歴史観のようなものは期待してはいけない。あくまで宮城谷昌光は真面目なのだ。

 

三国志外伝 (文春文庫 み 19-35)

三国志外伝 (文春文庫 み 19-35)