池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

小説講座 売れる作家の前技術 デビューだけで満足してはいけない。

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この本は大沢在昌の小説講座である。

新人賞に応募経験のある、本気で作家になりたい人を集めて、一年間にわたって行った講座である。デビューだけでなく売れるにはどうしたらよいかについて、かなり具体的に語っている。

 

ところが、用語に関してちょっと誤用がある。

本文のなかで「一人称」と表現されているのは「視点の固定」の間違いだ。

「一人称」とは、主語を「私、僕」など語り手と一致させる書き方である。

だが、本文中で言われているのは、「主人公の視点に固定する」という書き方であり、一人称とは違う。そこを理解していないと、混乱することになる。

 

つまり、主人公に視点を固定すると、その他の心情に関しては、主人公による推測になるわけである。語り手、読み手は主人公につかず離れずいる存在になるわけだ。

この点で受講者は、「矛盾している」という指摘を大沢在昌から受けるわけであるが、誤用しているから理解できていないのではないか、と思ってしまう。

 

その他の要素についてはとても為になるし、読み物としても面白い。

小説の書き方で煮詰まっている人は読んだらよいと思う。ジャンルにかかわらず、参考になる部分が多いのではないか。

個人的にはプロットに凝るという部分はとても参考になったと思う。できるかどうかは別であるが。

月並みな着地点になってしまうと悩んでいた受講者の作品をどう作り替えるか、という部分で、具体的にやって見せたところはとてもためになった。

 

 

 

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