池波正太郎をめざして

読書の栞

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「投資バカ」&「元コンビニ店員だけど、FXで月給100万ちょいもらっている話」

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投資バカ 賢い人は金融機関を信じない (朝日新書)

 

小説を書くのに、参考にしようと思って、両書を読んだ。

投資をやる人間というのはどういう傾向を持つのか、ということを知るためだ。

 

その目的に合致しているのは、(意外だろうか)「FXで~」の方だった。その傾向は別の記事に書くとする。

この記事のタイトルに惹かれてやってきた人は、投資について興味がある人だろう。

両書の特徴は、同じ展開をしているということだ。

著者の新山優氏、中野晴啓(はるひろ)氏には目的がきちんとあって、本を書いている。

新山氏は自分が儲けられるようになった経験を書き、もしかすると自分の元へ人を呼びたいのかもしれない。

中野氏は自身の会社の投資信託へ誘導したいのである。

それぞれの目的をきちんと把握した上で、読むべきである。

 

二人とも、自身の失敗をまず書く。

新山氏はFXで儲けられなかったこと。中野氏は自身が株式投資で失敗したこと。両者が借金を負ったことから話を始める。

そして、新山氏はとあるセミナーに参加したこと、中野氏は目覚めによって、開眼していく。

ここからがちょっと違う。最終的な目的は、それぞれ書いた。

 

中野氏は草食の投資を推奨する。

なぜ推奨するのか。

それは結局短期投資では儲けられないからだ。

たとえば、FXなど短期投資では売り買いのタイミングが重要だ。大きく儲けるには大きく相場が変動するタイミングを見極めねばならない。だが、数十年で1980年から2008年までの28年間、1万277日で、大きく上昇するタイミングは10日しかないということだ。

巨人ウォーレン・バフェットが、相場師の予想の逆張りをしまくったことがあったらしい。逆の動きに張ったのに、儲けてしまったらしい。ちょっと驚いた。

このようにして、投資は短期で行うものではなく、長期を行うもの、しかも株式の長期保有ではなく、投資信託の方が良いよ、ということを他の金融商品を否定しながら誘導していくのである。

 

新山氏の場合。

そのセミナーで基本的な投資のルールを教わる。

それは売買のタイミングのことである。損をしている人間は損をするタイミングで売買をしているのである、とセミナーの講師は説く。

だが、そのタイミングとはいつなのか。それを示すために、一般的な市場分析の手法を否定していく。そして、自身が行っている手法へ誘導していくのである。

これ以上は書けない。あまりにも内容が薄いからだ。実際に読んでみてほしい。

 

どちらも目的があって書かれたものなので、「なーんだ」と思ったら読めないと思ったら間違いで、実はその否定の論理こそが読む価値がある部分である。

そこにさまざまな分析手法や投資分析の短所が書かれているのである。

どちらがおすすめかというと、「投資バカ」の方だ。

 

投資バカ 賢い人は金融機関を信じない (朝日新書)

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元コンビニ店員だけど、FXで月給100万ちょい もらってる話

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