池波正太郎をめざして

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読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

うむ。縁談は心がけておく。

マンガ マンガ-夜廻り猫 雑記

 

 

 

夜廻り猫 1 今宵もどこかで涙の匂い

 

遠藤平蔵との出会い

 最寄り駅の前の商業ビル。そのビルにある本屋はちょっと変わっている。面白い本を店員さん個人がプッシュしているのだと思う。最近の本屋らしく、売れ線の本もプッシュするのだが、そうでないものも発掘する。特にマンガは力を入れている。活字の方はそうでもない。雑誌もなんか面白い。なんとなく偏っている。女性のファッション雑誌は一番奥にある。客を奥まで誘導しているというより、この本屋にとっては需要がないように感じる。春には一定額学習参考書を購入すると飴の掴み取りもできる。

 この「夜廻り猫」の一巻はこの本屋が複数のコーナーで平積みしていて知った。適当に平積みしているのではなく、目につくように小分けにして平積みしていた。明らかに押しているのである。ポップもついていた。ジャケ買いした。猫好きにも困ったものだ。もちろん「夜廻り」と「平蔵」というキーワードに引かれたというのもある。長谷川平蔵・・・・・・、鬼平。遠藤はちょっとわからないけれども。

 実際は深谷かほるさんは売れっ子なのだろう。私が不勉強で本屋で見るまで知らなかった。

そりゃ猫だもの

 役には立たない。しかし、遠藤は夜廻りで涙の臭いを嗅いで、人々のもとへ赴く。そして、悩みを聞くのである。猫だから解決なんてできない。

 金持ちや凄い人は出てこない。普通か、普通より少し不幸か。割り切れない思いを抱いている人々が登場人物だ。

 孫を育てたおばあさん、不良のように見えて気の良い青年、病気の男の子、親に嫌われていたと思っている女性、正義を貫いて仕事と家族を失ったホームレス、野良猫にも優しくしてくれる夫婦・・・・・・。そばに誰もいないけれども、誰かに言いたいことはある。「心で泣いている」そんな人を探すために、夜な夜な遠藤は街を徘徊している。たぶん、日本中の街を徘徊している。

 写真を見てもらえば分かるだろうが、遠藤は笑顔が苦手だ。というより、笑っても分かってもらえないと思っている。だから、口に出すのである。「にっこり」と。

仲間ができる

 始めは深谷さんの絵が適当なのであるが、徐々に上手くなっていくように感じた。ツイッターでシャレで始めてそれほど続ける気がなかったのかもしれない。それから世界観が深まっていく。仲間やひいきの家もできる。子どもではないが、子どものような存在の重蔵も登場する。家猫もいれば、野良猫もいる。遠藤の周りの猫たちは人間たちを利用して助け合って生きている。将来という概念はない。今があるだけだ。そんな文にしてしまえば寂しい思わせる設定なのだが、けなげな猫の姿を見ていると、なぜか心温まるのである。

 個人的には「先生」が好きだ。おそらく文筆業らしい人物だ。家猫を飼っていて、その猫の下に遠藤だけではなく、他の猫や狸までやってくる。そのために、エサやマタタビ茶を与え、家まで作ってあげる。父を早くに亡くし、母の手だけで育てられた。しかしそれに対し不満があるわけでない。達観した思想を持っている優しい人物だ。かくありたいと思うのだが、なかなかできないことである。

秀逸なのは

 一コマで登場人物がどういう人生を歩んできたかがわかることである。

 「祖母業」という作品でそれを感じた。はっきりとは書いてないのだが、孫をおばあさんが育てている。その二人の卒業を描いているのだが、最後のコマで食事を作っているおばあさんが出てきてそれが分かる。それが分かってから、流し読むのではなく、注意深く見るようになった。なんとなく、深いのである。そういう機微が、鬼平に通じるからか、面白かった。

しんどいと思ったときに

 読んでみたら癒される本だとおもうので、疲れている人は読んでみたら良い。

 この作品はツイッターで連載されたものがまとまっている。試しにそちらで読まれたらいかがだろう。私は行ってみたが、マンガそのものは発見できず。

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