池波正太郎をめざして

読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

あの頃ぼくらはアホでした

 

 東野圭吾の小学生時代から大学生までの出来事を綴ったエッセイ。

 タイトルから分かるとおり、過去の出来事をおもしろおかしく語っている。

 

 特に中学校時代のH中学での出来事がすごい。

 H中学は学区の家庭がその荒れっぷりを嫌って、私立に行かせるような学校。それでもヤンキーは全体の三分の一である。東野の位置は、どちらかというと、ヤンキーとまじめの中間にいる、もしかすると一番作家的で、一番ずるい場所なのかもしれない。

 その後、本人は学区一の進学校に進むのであるが、そこでは「自分はまじめグループに属していた」と言っていたらしい。だが、まじめだとは思えない行状がしばしば見られる。

 そもそもはH中学の伝説の先輩たちがいて、その先輩たちは廊下を賭博場に、音楽室を喫煙所にして、先生の手を焼かせた。この先輩たちが悪名を周辺にとどろかせたのであるが、東野の代もその先輩たちほどではないけれども、やんちゃだったのだ。

 高校で自分の中学の噂を聞く。「ヤンキーだけでなく、委員も調子に乗っていた」。委員のなかに東野がいた。

 とはいうものの、シャレにならんだろう、というものはない。薬、シンナー、ケンカ、そういうものはやっていない。昔だったら、「やんちゃ」、「いたずら」で済んでしまう程度だ。

 

 結果論だが、こういう境界の経験(ヤンキーとまじめの境界)が作家になるには案外必要なのかもしれないと思った。境界にいるというのは自分の所属する領域が広がるということを意味するからだ。

 とても面白いエッセイ? でした。エッセイって、行動だから、人となりが出て面白いね。

 

あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)

あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)

 

 

 

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