池波正太郎をめざして

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読書の栞

日々の読書の記録、感想を書きます。

人類最強の「糖質制限」論。

 

 本書では糖質制限をするのがいかに有効かを説いている。

 糖質を制限すると、肥満が解消され、ガンにはならず、心臓病、脳卒中脳出血認知症アルツハイマー、糖尿病も防ぐことができると解説される。

 

 本書の江部康二医師は三種類の糖質制限を提言している。

 ☆プチ糖質制限食(一日三食のうち夕食だけ制限する)

 ☆スタンダード糖質制限食(三食のうち二食を制限する)

 ☆スーパー糖質制限食(スーパー糖質制限食)

 

 他にも糖質を制限する食事法というのがあるらしい。代表的なもの三種類のうち、江部医師の紹介するスーパー糖質制限食というのが、一番継続できるものだというのも医師の主張だ。

 どうして糖質制限がダイエット法として効果があるかというと、それは肥満になるメカニズムにある。脂肪をため込むのは、血糖値の上昇とインスリンの分泌が関与している。インスリンの濃度が高まることが肥満につながる。この悪循環を断ち切るのに、糖質制限は有効なのだ。

 

 ただ、本書には欠点がある。これは今の医師が言いがちなミスである。それは「江戸時代や原始時代の人類はこれほど糖質を取っていなかった」という主張だ。あと、「アメリカがやっているから有効だ」という視点だ。しかし、よく考えれば現代日本人の方が、江戸時代の人々よりも、ましてや原始時代の人類より、絶対的に長寿である。原始時代の人類の寿命は三十代だ。江戸時代も推計すれば、三十代から四十代だ。

 よく医師はこの時代の食事に戻ろうという言い方をするのだが、この矛盾を解消せねば、説得力がない。

 アメリカについても同様で、アメリカよりも日本の方が長寿である。もちろん、個人差があり、日本人でもアメリカ様式の食事を取った方が健康的になるものもあろう。しかし、それが全員だとは思えない。先進国で最長寿国がなぜ長寿になるために他の国の方式を採用しなければならないのか。

 本書では血糖値を下げると肝臓から分泌される「ケトン体」というものが、糖質の代わりに脳や各所のエネルギーになると説く。イヌイットは冬期に糖質を全く取らずに暮らすそうだ。これも上記と一緒で、日本よりも長寿で健康的だという統計がなければ信用できない。それにケトン体に頼るのは飢餓状態で、危険な状態なのではないかと、読んでいて感じた。

 医師など理系の人間は、一般的な歴史などに言及せず、医学的な事実だけを解説すればよいのに、とよく感じる。

 

 もちろん、一読してみてほしいが、医学的に極端な説はいずれ修正される。だから、糖質制限に関しても、部分的に採用した方が良いかもしれないと思った。

 

 

人類最強の「糖質制限」論  ケトン体を味方にして痩せる、健康になる (SB新書)

人類最強の「糖質制限」論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる (SB新書)

 

 追記:江部先生のHPがあったのでリンクを貼っておく。

ドクター江部の糖尿病徒然日記

 

 

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